2021年5月5日

『無垢なる証人』(韓国、2019年)、これは観ておいて損はない

投稿者: hi_sakamoto

天候不順の2021年ゴールデンウイーク最終日、朝から雨が降る1日となり、せっかく庭仕事やガレージ周りの片付けをしようと思っていたのですが、やる気を削がれました。家族もそれぞれ宿題、体調不良等々で何をするわけでもなく、手持ち無沙汰だったのでネットで映画でもみようと思い立ち、最近SDGs本で紹介されていた韓国映画『無垢なる証人』(2019年)を視ることにしました。

【以下、ネタバレあり】

主人公は能力ある人権弁護士なのですが、すでに認知症を患った父が作った借金を抱えながら、商売としてはなかなか成功しないなかで働いていました。所属する弁護士事務所のボスに見込まれて、巨大企業の顧問弁護士になっていく過程の葛藤が描かれます。ボスからは「もっと垢をつけないと」と言われ、真実だけで行動する青臭い姿勢は捨てろ、成功者としての道をちゃんと歩むことだと諭されます。つまり、儲かる弁護士として、巨大企業、大金持ちのクライアントのために仕事をすることがよほど大人だとその道を勧められ、契約書にサインをします。最初の仕事として、とある殺人事件をめぐる容疑者の弁護人になります。目撃者である15歳の自閉症の少女との関わりが生まれますが、法廷では健常者目線で彼女の証言能力を否定するような弁護をします。その少女のと触れ合いの中で、自らの自閉症者への見方に歪みがあったことを悟ります。そして、容疑者がふと漏らした言葉と、自閉症少女の言葉に気に掛かる共通のセリフに気づいて、新たな展開となります。

同じ時期に公開された『パラサイト 半地下の家族』も超良かったですが、そのためかあまり注目されなかったこの映画、実に良く出来ており、素晴らしかったです。