2020年9月6日

文句を言わない人間を欲している者たちに対抗するために

投稿者: hi_sakamoto

今年5月から学生のみなさんと開始した『資本論』の学習ですが、まずは第8章「労働日」からスタートし、これまで第12章「分業とマニュファクチュア」まで進んできました。社会人ではなくとも、アルバイトなどで「使われる立場」で働いた経験も一定ありますし、私がかつて民間企業で働いていた時の経験なども紹介しながら、理不尽な社会の現実、資本と労働の現実について、イメージをもって読み進めることができていると思います。今回の『資本論』12章の中で、資本は利潤獲得のために「何も考えない労働者」をつくることを追い求めるという話が出てきます。

これにどう対抗するのか。それは、学ぶ時間をつくることです。労働者が集団的なたたかいで(労働組合運動などで)時間短縮を勝ち取ることは重要なポイントです。そして、疲労や忙しさ等々のなかで学ぶ気力が出ないという日常生活の中でも、時間をつくるために自分自身とたたかうことが求められます。仲間たちで学習会を続けることも継続の力になります。一人ではなかなかモチベーションを維持できませんから。私も、学生さんや若者と一緒に勉強することを1つの義務に課しているいるから、易きに流れず学習を継続できると思っています。

学びこそが、理不尽な働き方を強制する者たちに対抗する力をつける力になる。毎回の学習は、こうしたことを確認する場に確実になっていると思います。