2022年11月10日

岸・安倍3代の政治家と勝共連合・統一協会が日本社会を破壊した

投稿者: hi_sakamoto

11月7日、8日の「毎日新聞」がスクープしました。首相や閣僚を担い日本政界の中枢に大きな影響を及ぼしつづけてきた岸・安倍の3代の政治家へ、統一協会が深く関わってきたことをしめす新たな証拠を報道したのです。「毎日」は、文鮮明氏の過去の発言録(韓国語)を翻訳し、その中に、統一協会・勝共連合が日本政界に入り込んでいくことを方針にし、岸・安倍一族を通じてその方針を実行してきたことをあからさまに発言しているというのです。

発言録とは「文鮮明先生マルスム(御言=みこと)選集」(韓国の教団系出版社成和出版社刊、絶版)で、1956年から2009年までの文鮮明氏の発言を記録した韓国語の出版物で、615巻(一巻で3〜400ページ)だそうです。

7日の「毎日」(1面、2面)に書かれている文鮮明氏の発言をピックアップします。

2004年の文鮮明氏の説教の言葉として、「岸首相(の時)から私が(日本の政界に)手を出した」「中曽根(首相)の時に、130人の国会議員を当選させた」。中曽根政権下で行われた、1986年の衆参同日選挙の際に当選した国会議員638人のうち130人を、「勝共推進議員」として「世界日報」が報じていることも紹介しています。


また、1989年7月の説教の言葉から、「国会議員との関係強化」に言及し「そのようにして、国会内に教会をつくる」「そこで原理を教育することなどで、すべてのことが可能になる」「国会議員の秘書を輩出する」「体制の形成を国会内を中心としてやる。そのような組織体制を整えなければならない」「自民党の安倍派などを中心にして、クボキ(久保木修巳勝共連合初代会長を指すとみられる)を中心に超党派的にそうした議員たちを結成し、その数を徐々に増やしていかないといけない。」などを紹介。
さらに、注目すべきなのは、「日本の中央の国会議員たちだけではな、地方もそうだ。」と、地方議員にも触手を伸ばす意図を明確にしていることです。

同日の「毎日」は、「岸信介氏、晋太郎氏と『親子2代』の関係を築いた文氏は、岸派を源流とする安倍派との関係を強化することで、日本政界への影響力を高めようとしたとみられる。実際、晋三氏が率いていた現在の安倍派を中心とした議員に教団との接点が次々と明らかになっており、清和会との関係強化を訴えた文氏の発言が今につながっているとみることもできる。」と、安倍晋三につながる、岸信介・安倍晋太郎と統一協会との深い深い関係を暴露しています。

最後に、金沢大の中正昌教授の言葉を紹介。

「教団はいろんな議員にアプローチをする中で結果的に『反共』の議員が集まる清和会との関係強化に狙いを絞ったのではないか。政界工作の戦略を文氏都教団幹部のどちらが考えていたかは不明だが、文氏が方針を示すことで教団の活動が強化されたのは間違いないだろう」と指摘した。

「毎日」11月8日付では、

2006年、安倍晋三氏が首相に就任した1週間後の文鮮明氏の発言から、直ちに教団側からナカガワ秘書室長(同紙は、自民党「幹事長」であった中川秀直氏だと推測)に面会するよう指示をした言葉を紹介しています。この時期、晋三氏は、統一協会側との距離をおいていたという地元後援会関係者の言葉を紹介しながら、その後に晋三氏が同協会となぜ急接近したかをのべています。それは、体調不良で第一安倍政権が終焉し、その後政権交代で自民党が下野することが転換点だったとし、2010年10月に小山田秀生(元統一教会会長)、のちに「国際勝共連合」会長となる梶栗正義氏が安倍晋三国会事務所と思われる場所で記念撮影された写真(鈴木エイト氏提供)が掲載されています。この間報道でも明らかになっているように、安倍晋三氏が2016年の参院選の比例区で統一協会からの組織的な票取りまとめを、出身派閥の「清和会」(元安倍派)所属議員に割り振っていたという証言を紹介しています。

銃撃事件の山上容疑者が殺害の動機としたのが、2021年の安倍氏によるUPF(「天宙平和連合」)のイベントへのメッセージでした。このビデオメッセージが送られた経緯を、鈴木エイト氏入手のビデオで梶栗氏が語っている言葉として「この8年弱の(安倍)政権下にあって、6度の国政選挙において私たちが示した誠意というものも、本人(安倍晋三氏)が記憶していた」と、安倍氏のメッセージが選挙支援の見返りだったことを示唆したとしています。

同紙の記事の最後に安倍氏の後援会関係者の言葉を紹介しています。

「安倍氏は自民党が下野して民主党政権が誕生すると落ち込んでいた。それ以降、安倍氏は権力保持のためには教団の選挙における力も利用しなければいけないと考え、距離を近づけてしまったのではないか」

まとめ
1960年代から岸信介、安倍晋太郎、安倍晋三と3代つづく政治家一家を軸とした自民党が、「共産主義の排除」という共通の政治目標を土台に、権力に擦り寄り協会の活動へお墨付きを得て同協会の反社会的活動を保持するという思惑と、選挙で有利にたたかい権力を維持するという思惑とが、完全に一致していたということです。そのことが、統一協会・勝共連合とたたかい続けてきた気鋭のジャーナリストや研究者、そして日本共産党と「しんぶん赤旗」によって日々暴露されています。多くの犠牲者を生み、今もなお人々の幸せを奪い取っている統一協会に、一刻も早く解散命令をださせるとが必要です。そのためにも、彼らと深く結びついてきた自民党も徹底して追い詰めていかなければなりません。