メディアは統一協会の宣伝媒体になるべきではない
昨日(10/10)の「北日本新聞」記事を見て、統一協会幹部をそんなに大きく扱うとはどういうことだ?と思った富山県民も多かったのではないかと思います。この間、テレビでも協会本部の会長ら幹部が長時間にわたって記者会見をし、「協会には多少の問題はあったが反社会的団体だとの言説は受け入れられない」「宗教弾圧だ、信教の自由の侵害だ」といった開き直りの主張を長々と垂れ流しています。彼らの反社会的活動、犯罪集団としての実態が明らかになる中、厳しい国民的批判も起こり、被害者が立ち上がる動きも強まっています。安倍晋三元首相をはじめ政権党の中枢部が同協会とズブズブの関係を続けてきて、ジェンダー平等推進や選択的夫婦別姓制度推進の動きに歯止めがかかっていたのではないかという疑念が日々高まってきています。
鴨野守(かもの・まもる)氏は、全国で巨大な被害を出し続けている統一協会(現「世界平和統一家庭連合」)の幹部の一人です。記事では、同協会本部の広報局長を8年間務め(2009年から2017年)め、富山県内でも県知事をはじめ多数の政治家と深い関係を築いてきた中心人物です。
今回の北日本新聞の記事は、同氏と元信者を紙面上「公平」に扱う体裁をとりながら、結果として彼に好き放題語らせ協会の主張をアピールする場となっています。インタビュー記事では、統一協会と政治家が関係を断つことについて「信仰の自由を著しく侵害している」と回答したようで、その言葉を中見出しに配置しています。
これまで私たちがメディアをとおして見てき政治家たちの姿は、統一協会との関係を聞かれ、協会とはまるで無縁であったかのようにとぼける様子であったり、取材からできるだけ早く逃れようとする醜い姿です。それに対し、鴨野守氏は富山県内のテレビ局のインタビューに積極的に応じ、長々と自説を述べ、我々統一協会側こそが被害者だと嘯いている答えてきています。
メディアが、犯罪集団を「一宗教法人の主張」として扱い、彼の主張を無批判に垂れ流すのは百害あって一利なしです。
今回の記事が、紙面に彼をデカデカと登場させ、彼らに宣伝の場を提供しているのだという新聞社の無自覚な姿勢は、ただちに改めるべきたと思います。
同じ日、「#しんぶん赤旗」は、「徹底追求 統一教会」の特集で、富山県で同協会の問題を追及している日本共産党の県議や地方議員らの取り組みを紹介しました。10/10の「北日本新聞」と「しんぶん赤旗」は、統一協会報道で対照的な紙面となりました。