2022年9月22日

旧植民地から「英王室は俺たちの宝石を返せ!」の声が 

投稿者: hi_sakamoto

前回投稿(9月16日)では、エリザベス女王の死去に伴って、旧植民地諸国が時代遅れの体制からの離脱=英国国王を元首とする立憲君主制から共和制への移行=が加速していることについて紹介しました。「しんぶん赤旗」の本日(9月22日付)国際面では、英国が植民地だったアフリカなどの諸国から、かつて奪われた宝石の返還要求が強まっているという記事が目につきました。

19日のエリザベス女王の国葬を長時間に渡って日本のマスメディが無批判に垂れ流していたことに、疑問を持って見ていた人も多かったと思います。(いや、そうではなく荘厳な葬儀に心酔していた人の方が多かったのかも)

これとの対比で、やはり「しんぶん赤旗」の報道は、とても大事だと思うのです。

記事をご覧いただいた通りですが、「英国が盗んだすべての金とダイヤモンドの返還を要求すべきだ」(南アフリカの議員の声)「我々の国民の犠牲の上に奪われた鉱物は、英国を利し続けている」(活動家の声)を紹介し、南アフリカのメディアが一斉に、宝石の所有権や英国が旧植民地に与えた損害の賠償について報じているとのことです。

記事では、世界最大級の「アフリカの偉大な星」という530カラッとのダイヤモンド(572億円相当)が王笏(おうしゃく)に使用され、「アフリカの星」といわれる317カラットのダイヤモンドは王冠に使われているとのこと。これらのダイヤは1905年に南アフリカの先住民から盗まれたとされる説を紹介しています。一方、英国王室側は発見から2年後の1907年にエドワード7世に献上されたと主張しているようです。

「しんぶん赤旗」の19日付では、英国国内での弔意強制に反発する人々や団体の声も紹介しており、私たちがNHKをはじめ主要メディアから垂れ流される英国エリザベス女王の死去に「多くの英国国民が悲しんでいる」という一面的で恣意的な報道ではわからない記事となっています。

国民が選挙で選んだわけでもない家族・王族がその地位を継承して人民の前に君臨し、人民はそれをありがたるという、およそ近代民主主義社会の感覚とは相容れない事態を、冷ややかな目て、大したことではないとしてスルーして良いのかとも思います。

巨大な権力、財産を作り上げた英国の背景に、植民地諸国の人民のどれほどの犠牲があったかを、私たちはしっかり知っておく必要があると思います。

昨年6月の投稿「奴隷制の廃止は我が国の利益に反するとその時は言ってた」でも、ヨーロッパの奴隷貿易のことに触れました。また、以前読んだ『世界史をつくった海賊』(ちくま新書)では、英国王室と英国の繁栄は海賊の存在と一体不可分であったことが詳しく書かれていした。英国王室の負の歴史をしっかり捉えなければなりません。

 

世界最大のダイヤモンドとはどんなものか・・・検索したらヒットしたので

サイト「人と大地と」から、4C02[ 世界最大のダイヤモンド ]