2022年11月14日

人間は自ら未来をつくる。だからこそ、未来を閉ざすものとたたかう

投稿者: hi_sakamoto

13日は民青同盟(民青)富山県委員会の代表者会議があり、党からの挨拶のために参加しました。

民青は「日本民主青年同盟」という、日本共産党をアドバイザーに日本共産党綱領と科学的社会主義を学び成長すること、青年の願いを実現し社会をより良く変えるために行動する、全国的青年団体です。この若者たちの運動をサポートする立場から、私たちの党も、若い皆さんと共に行動してきました。

13日に開かれた会議での挨拶で、「未来を開くために人間らしく取り組もう」という趣旨の挨拶をおこないました。以下は、その要旨です。

私は、資本論第5章の「労働過程」にある一節(画像)を紹介しました。

「しかし、最も拙劣な建築師でももっとも優れたミツバチより最初から卓越している点は、建築士は小室を蝋で建築する以前に自分の頭のなかでそれを建築しているということである。労働過程の終わりには、その初めに労働者の表象の中にすでに現存していた、したがって観念的にすでに現存していた結果が出てくる。」

(解説)クモは見事な巣を張り、ミツバチは芸術的にハニカム構造の巣を作る。虫たちは、織布者や建築士を赤面せさせるほどの素晴らしい仕事をするが、人間は、彼らが真似はできない労働をしている。それは、動物や虫はDNAに刻まれたプログラムに基づいてただ本能に従って働いているだけ、いつの間にか綺麗な芸術的な巣が完成しているだけなのにくらべて、人間は自分の労働の結果生み出される完成品を思い描き(設計図を描き)、労働するということだ。つまり未来を展望して労働することができる、どんなものを作るか、どんな人間になりたいか考えながら今を生きる。これが人間とその他の生き物とを決定的に区別するものである。人間とは、昨日よりも今日、今日よりも明日、明日よりも来年、10年後20年後と、より良く生き、暮らすために外界に働きかけ、外界を作りかえる努力をする生き物なのだ。

つまり、未来を切り開く能力を持っているのが、人間が動物より「最初から卓越ししている点」ですよと、マルクスは言っているのです。

人間は自分(たち)の未来を描きながら生きていく存在ですが、特に10代、20代の若者は、これから先長い長い人生が残されています。その未来をより良い未来にするためにも、今の私たちがどう振る舞うかが大事だと思うのです。

未来を閉ざそうとするものを取り除くために、行動しよう

若いみなさんがこれから進学や就職などのために努力されていると思います。それが、うまくいく場合もあれば(ぜひ夢や希望が叶うようにう願っています)、うまくいかない場合もあります。いや、うまくいかないことが多いかもしれません。必死で受験勉強して良い大学に行けたとしても、学費を払うためにバイト漬けに加えて単位取得に必死に勉強するという苦労があるかもしれません。学生時代にどれだけ努力しても、希望通りの就職ができない場合もあります。非正規や不安定な仕事しかなかったり、たとえ正規労働でも、低賃金、長時間労働、成果主義で日々追われる暮らしを余儀なくされる場合もあるでしょう。就職した途端にすぐに奨学金の返済が始まります。未来の自分のためにどんなに頑張っても、その努力だけでは解決できない現実があるのです。世界から戦争を無くそうという国連があるのに、戦争がなくならない。憲法9条がある日本が敵基地攻撃能力をもち軍事費を倍増しようとしています。未来に向けて平和が遠ざかっているのではないか、という不安が増幅しています。

総体として、統計的に青年がかつてより困難が多い時代に置かれており、未来が明るくないというのが現実です。

その困難や不安の原因をつかめば、それを取り除く改革の方策が導かれます。そういう捉え方をすることで自己責任の呪縛から自らを解放し、前向きに頑張る力が湧いてきます。民青はそれができる組織です。

民青は、社会の法則を捉える学習をして、青年の願いを実現するために行動する青年団体です。社会や政治の現実を変える道=展望をつかみ、変えるための運動の目標を明確にして行動します。署名運動、デモ、街頭でスタンディングをしてアピール、そして選挙での投票行動。そうやって社会に働きかけ現実を変えていく道があることに確信をもっています。

民青は、年間の活動方針を定めそれに基づき実践し、これまでの活動方針の結果を検証し、有効性を確認します。運動に参加する仲間をふやして運動を強化していくことも追求します。そして、次の新しい方針を練り上げていきます。

自分の努力が足りないのではないかと現実にぶつかり展望が見えなくなったり、場合によっては「あいつが悪い」「あの国の奴らが悪い」などと他人に責任をなすりつけ攻撃する人が生まれている深刻な現状もあります。多くの若者に、私たちの未来を閉ざすような現実をいっしょに変えていこうよ!ここに変えていく道があるよ!「最低賃金を時給900円ではなく1500円に!」 「学費の無償化を!」「ジェンダー平等の社会を作ろう!」「外交によって戦争を回避しよう」と呼びかけていきましょう。

「自己責任」から私たち自身が解き放たれるように、学び、声をあげ行動していきましょう。青年が未来に希望を持てるように、民青を強く大きくしていきましょう。