2020年11月15日

「未来少年コナン」ー自然と人民の支配の愚かさを痛烈に批判、打開の希望を描く

投稿者: hi_sakamoto

「未来少年コナン」

40年ぶりくらいなのかな、Netflixで視聴。小学低学年の時の放映だったけれど、壮大なドラマに毎週心を踊らせてみていたものです。

宮崎駿監督の1978年のNHKで放映されたアニメ。当時、米ソ冷戦核軍拡競争のもと、実際に核戦争もリアルな脅威だった時代。第三次世界大戦をイメージしているような地球的規模の大戦争後の地球のお話です。地球と人類は超磁力兵器によって破滅的状況に直面したものの、生き残った人々は自然環境を回復させる粘り強い努力でようやく希望が見えるようになっていました。一方で支配欲に取り憑かれた者たち(レプカという男を頂点とする実力組織)が近代的な生産設備を独占し(ゴミからパンが生産されるというシーンは強烈)、人々を搾取して地球的支配を目論んでいます。そんな世界で、コナン少年と少女ラナ、コナンの盟友ジムシーらが世界平和を目指す科学者や抑圧されていた人々、ハイハーバーの村人などとが力を合わせレプカの支配を打ち破っていくというストーリーです。

非常に良くできたドラマで、少年だった私は釘付けになってみていたわけですが、40年後の今、再びこれを全話見終わって、全く古くなっていないことに感動し、子どもたちにもみてもらいたいなと感じました。

強烈に印象に残ったのは、ジムシーが「当たり前のことを決めるのにモタモタしてるな」とぼやくシーン。

それは、ハイハーバー(ラナの出身の島で、自然と共存しゆっくりとした時間軸で共同的な暮らしが成り立っている)が、インダストリアの部隊から攻撃されようとしている時、侵略者と戦うかどうかを村人同士がカンカンガクガク議論していたときに言ったジムシーのセリフです。

共同の脅威に対しどう対処するかは村長に任せてしまえば結論は早いのかもしれないけれど、そんな時ですら村長がみんな意思をもとめ、みんなが率直に思いを出しあって民主的に結論を出そうとする姿が非常に印象的でした。

また、インダストリアで抑圧され地下生活を余儀なくされていた住民たちがコナンたちの勇敢な戦いに共感し、それに触発されて直接行動へ移し、レプカ率いる部隊をその銃撃をものもとせず蹴散らしながら地上へと押しよせ、解放を勝ち取っていくシーン。

自然も人間も支配・制御しようとすることの愚かさと、それを変革しようとする人びとのたたかいをテンポよく明るく描き、最後に成就するという希望あるドラマとなっており、みるものに清々しい余韻を残します。後世に受け継ぐ傑作ではないかと思います。