2021年8月8日

政権交代こそ、核兵器禁止条約に参加する政権をつくる道

投稿者: hi_sakamoto

8月6日は、原爆投下から76年の原爆の日でした。

翌7日の「北日本新聞」は、菅義偉首相が核兵器禁止条約への参加にきわめて消極的であることを批判的に取り上げています。

核兵器が実際に民間人にむけて使われたのが、日本の広島、長崎の両市です。8月6日と9日の原爆投下の日に、多くの人たちが2度とこのような惨禍が起こるこのとないように、世界の平和と残虐兵器の廃絶を願って祈るのです。

そうした中で開かれた平和記念式での首相スピーチに、「核兵器禁止条約」が一言も触れられていないばかりか、「原爆」を「原発」と読み間違えてみたり、大事な文章の一部を大幅に読み飛ばし(糊で張り付いていたのでめくれなかったと言い訳している)たりと、本気で核兵器廃絶を願っているのか?真面目に式典に参加しているのか?との非難の声が広がっています。

同じ日、富山県内では4つの非核団体が新田県知事に対して核兵器禁止条約の署名・批准を政府に働きかけるよう求める申し入れ・懇談の場が持たれたことを「北日本新聞」が報じました。

新田県知事は、政府が適切に対処することを期待するという趣旨で返答したそうです。でも菅首相は、核兵器禁止条約には署名しないと言っているのです。そんなダメな首相にいったい何を期待するというのでしょうか。

記事を読むと、そういうことになります。

「国際社会の動向を踏まえ、政府が適切に対応されることを期待したい」(新田知事)

この場合の「適切」って、「被爆国日本の政府が、世界の核兵器廃絶の流れを加速させるために、条約を批准する」ってことだと私たちは理解します。

しかし、この「適切」って本当に曖昧で便利な言葉ですね。

新田さんは、●条約を批准しようとしない菅首相の判断は不適切だからいずれ適切な判断されるだろうことを期待しているのか、それとも●条約を批准しようとしない菅首相は適切な判断だったと考えているのか、

よくわかりません。

「煙に巻く(けむにまく)」という言葉はこういう時に使うのでしょうか。

記事によると富山県内の非核団体は、《被爆者はすでに平均年齢が85歳を過ぎており、時間がない。国が核兵器禁止条約を批准するよう県がもっと声をあげて欲しい》ということを強調しているのです。本当にその通りです。

現在、全国各地の議会で核兵器禁止条約批准をもとめる意見書が次々と採択されており、7月20日現在で全議会のうち593自治体(全国の33%)にのぼっているとのことです。富山県内でも、この6月議会で入善町議会、黒部市議会が意見書を採択しました。

地方議会での条約批准を求める取り組みが広がる中で、富山県のトップが「被爆国日本の政府として、世界の核兵器をめぐる情勢や日本国内での世論を踏まえ、政府には条約に関して積極的な対応を願いたい」と、せめてこのくらいのメッセージを発信してもらいたいものです。

富山県知事の姿をみていると、どんなに県民が切実に願っていても自民党知事では政府にまともに言えないし、結局核兵器禁止条約を批准しようとしない政府である間は、前に進むことはないということです。つまり、政権交代して条約を批准する政権を変えてしまうというのがもっとも近道なのです。

この点で、8月4日に行われた日本共産党99周年記念講演会で行なった、志位和夫委員長の講演は重要です。世界史的な流れで核兵器禁止条約の意義を語り、唯一の戦争被爆国である日本国が今こそ同条約を批准すること、やはりそれを実現するためには自民党政権ではダメで、野党連合政権を実現することが早道なのだとズバリ結論づけています。ぜひご覧ください。動画の1時間20分過ぎからです。