2022年3月6日

日本共産党って中国共産党とは違うんですか?とか、いろいろ、もろもろ

投稿者: hi_sakamoto

2月28日、朝日町と黒部市の党と後援会が「参議院選挙と日本共産党の役割」と題して「つどい」を開催しました。ホットなウクライナへのロシア侵略の話題から、世界の平和や日本での憲法改正の問題をどう捉えるのか、安保条約の問題点、コロナ対策の強化、天皇の制度をどう考えるのか、など日本共産党の基本姿勢やめざす社会像などを骨太の内容で語り合うものです。

藤野やすふみ前衆議院議員が駆けつけ、私も参加しました。



今回のつどいでは、党が発行してお配りしている「はてなリーフレット」を活用して、日本共産党そのもの(党の綱領の話)を多くの皆さんに知ってもらうことを重視しました。

 

リーフレットは、安保条約、安保法制、平和なアジア、自衛隊、天皇の制度、共産主義、中国、改革の進め方、野党共闘、政権合意、といった内容で、多くの国民のみなさんの疑問に答える内容になっています。

 

対話活動をしていても、「日本共産党は中国共産党と同じなのか?」「天皇制をやめるのか?」といった声はどこでも聞かれます。

「共産党さんは国会質問でも、地域の議員さんの活動でも、一番まとも。なのに名前で損をしている。何とかならないのか?」「坂本さんはいいが、共産党でなければいいのに」「憲法9条の精神は大事だ。しかし、もし万が一日本が攻撃されたら竹槍で立ち向かうのか?」といった声や質問は、これまでに1万回くらい聞いて1万回くらい答えてきたわけですが、これに類するものはこの先も途絶えることはないでしょう。それに丁寧に答え続けることが必要ですし、この疑問を解消することは、日本共産党にとっても、日本社会にとっても巨大な前進方向を切り開く力になると思います。

「日本共産党って中国共産党と同じなのか?」という疑問については、リーフやさまざまな党の文献も参照していただければと思います。

中国という国、中国共産党とは一体何なのか。

私流に言えば、中国という国そのものは社会主義・共産主義とはかけ離れた一党独裁の国家であり、経済的には国家の強力な介入を力に資本主義発展を進め、軍事的にも経済的にも世界一の大国をめざす国です。

日本共産党との関係でいうと、1950年代に中国共産党が日本の社会変革運動に暴力革命路線を押し付けようとして、日本共産党中央委員会の指導部に内通者を送り込むことまでしたのですが、これに日本共産党が毅然として反撃をしたために長きにわたって日中の政党間交流がありませんでした。一時、日本共産党への干渉を反省するとまで言った中国共産党でしたが、すぐに覇権主義丸出しの体外路線をあらわにし、国内的にはいっそう民主主義抑圧の政治体制を強化してきています。このような中国共産党と日本共産党が同じであるわけがありません。そもそも、本来民主主義や自由を広げるのが社会主義・共産主義の精神ですから、そのかけらもないのが中国の党であり、共産党の名に値しない党です。「中国共産党よ、直ちに党名変更せよ」と言いたいところです。

社会変革を恐れる者たちは、今後も日本共産党のイメージダウンを執拗に追求する

ここからがもう1つ強調したいことです。なぜ繰り返し、共産党はどうも・・・イメージがどうも・・といった「空気感」が払拭できないのか。そして、あらぬ誤解〜暴力革命をめざしている、中国の手先だ、財産を取り上げる〜といったものまで、次から次へと日本共産党への、意識的か無意識的かは別として、そうした誤解や偏見が生まれてくるのかということです。

現在の社会は、利益拡大こそ命、お金大好きな人々の利益を代弁するような者たちが権力を保持しています。その結果不利益を被る人々が大量に生まれ、その双方が対立する社会構造になっています。

権力を握る者が戦争を推進しようとすれば、それを阻止しようとする人々や勢力が生まれ対立が生じますが、現在のロシア国内の状況はそれをよく表しています。そうした対立的な社会(階級社会といいます)では必ず、【現状肯定・支配勢力】と、その支配を打破して社会を変え多数の人々の利益を広げようとする【変革・被支配勢力】が生まれます。これは必然です。
そして、権力者は、権力を脅かそうとする者の伸長を抑え込もうとするのが常です。

ロシアや中国のような民主主義がない(限定的)な国では、国民への暴力を用いてのあからさまな弾圧が(時には権力による殺人までもが)行われるのです。かつての日本では、日本共産党は1922年に創立された当初から戦争反対や主権在民(国民主権)を主張したために非合法とされ、苛烈な弾圧を受けました。特高(特別高等警察)によって多数の党員が逮捕・投獄され、拷問によって命も奪われました。日本共産党は当時、非国民、コレラやペストと言われました。民主主義のない国では容赦無く変革・被支配勢力側へ暴力が振るわれ、抑え込まれるものなのです。

しかし、一応の民主主義国家とされる現在の日本などでは自由にモノが言えるわけで、昔のように権力が国民を暴力で抑え込むことはできません。(いまだに公安警察などが日本共産党をはじめさまざまな団体や個人を監視するなど憲法違反の活動が行われていますし、沖縄をみればわかるように基地建設反対運動を暴力的に抑え込むことが行われています。アメリカでは警官が黒人を殺傷して大問題になりました。多かれ少なかれ、表向きは自由・民主主義国家でも、権力は国民の運動をおさえる役目をはたし、暴力的に振る舞います)

建前上憲法で国民の権利が保障されている自由な国では、何によって変革・被支配勢力の広がりを抑え込むのでしょうか?

それは、国家機構やメディアを通じて人々の考え方の中に「現状の方が良い」、「現在の自民党はよくやっている」、「会社の利益あってこそ自分賃金がもらえる」などと、現状を良しとする考えを広げるさまざまな仕組みや言論空間を作るという方法が採られるのです。「野党は批判ばかり」、「野党は政権担当能力がない」、「野党はまだモリ・カケ・桜をやっているのか」「他国に攻め込まれないためにも軍事力強化が必要」、「核保有の議論まで否定するのは言論の自由を侵害するものだ」、「憲法9条を唱えていれば平和になるというのはお花畑左翼だ」、「どうせ投票に行っても変わらない」、「自民党を選んだ国民が悪いんだ」などなどです。こうした情報や考え方が、ニュース番組、ワイドショー、ネット、SNSなどで毎日毎日大量に垂れ流されて、国民の中に大きな影響が及んでいるのです。

NHKは、ロシアの侵略や反戦集会の話は喜び勇んでこぞって大々的に報道するくせに、安倍政権の憲法破壊の法案強行や政治の私物化に対する人々の反対運動などを極力報道しないようにしてきました。。

ワイドショーでは橋下徹氏や吉村洋文大阪府知事をタレント扱いで登場させ、改憲や核保有議論肯定発言を垂れ流すなど、メディアの活用を徹底し世論形成に全力集中しています。

戦争法=安保法制を「平和安全法制」と言い変えたり、自衛隊の武器を「防衛装備品」と言い換えたりしますが、これも国民世論を形成する上の支配層なりの戦略と言えます。安倍元首相が総理会見を盛んに行ったり、ニュース番組で自ら模型をつかって安保法制の必要性を説いたりしていましたが、それは、世論をどうやって形成していくかは階級対立で優位に立つ上で大変重要な要素だからこそなのです。

民主主義のすすんだ国では、現状肯定・支配勢力側はロシアや中国のような国民抑圧は不可能に近いのですから、どうするかといえば人々の考え方に影響を与え現状肯定側に近づくように政権側に有利な情報を発信し、その反対に不利な情報は控えるようにするわけです。

ですから、日本共産党が怖い、天皇制をなくすのではないか、安保なくしたら日本の安全はどうするのか、自衛隊をなくすといっているトンデモ政党だ、そうはいってもやっぱり中国の仲間だ、党名変更しないのはよくわかるがやっぱりイメージが・・・そういう日本共産党へのネガティブイメージを国民の意識=世論の中に際限なく生み出し沈殿させ続けることが、日本共産党の伸長を抑えるもっとも効果的な方法であり、それを支配層側はよく自覚しているのです。日本共産党側から言えば、この点をいかに突破するのかが最大の課題になると認識しているのですから、まさに言論空間、思想形成空間での戦い(イデオロギーをめぐるたたかい)ということになります。

その中でたたかいを前進させるためには、メディアの一つである「しんぶん赤旗」を普及したり、SNSなどネットによる発信を強化したり、そして何よりも一人ひとりの国民と結びついて対話を広げ、深く理解してもらえる人を作り、日本共産党の隊列に加わる仲間を増やすことだと思います。その努力はまだまだ不足しています。それをよく自覚して臨みたいと思います。

ぜひ3月13日(日)、日本共産党演説会in富山へお越しください。日本共産党のことがよくわかり、政治を変える展望を高める集会です。