2022年5月16日

日本共産党がめざす共産主義で独裁を防げる保証はあるのか?の問いに答えて

投稿者: hi_sakamoto


5月14日午後、上市町のカミールにて、「若いみなさんと自由に語りあう上市のつどい」が行われました。

会場とオンライン(zoom)で30〜50代農業、フリーランス、主婦、非正規雇用などの若いみなさんにご参加いただきました。実に面白い集いとなりました。

●自分の集落は高齢者ばかりで、後継・担い手がいないため農地や山の維持が厳しくなっている。農業や里山の整備の支援をもっとしてほしい。
●公務員が多すぎるのではないか?
●税金・保険料がとても重く負担だ。一人5万円などの給付金もダメとは言わないが、消費税を下げてもらいたい。

などなど多くの質問、意見が出されました。ところどころ、碓井憲夫上市町議会議員や山崎美保子党富山地区常任委員(上市町委員)らが意見を交えこたえました。

自由に意見を述べ合う集いでしたので、以下のような質問も出されました。

これまで共産圏では一党独裁になってきた歴史がある。日本共産党が共産主義を目指しているのであれば、そうした独裁を防げるのか?
回答

マルクスの時代から、社会主義・共産主義の運動は、普通選挙制度を確立し、選挙を通じて議会で多数をとり、政権を獲得して社会を変えるということは当然の方向だとして努力してきました。これは、多様な民意を汲む複数の政党による言論での競い合いを前提にしているわけで、共産主義が一党独裁の思想だということにはなりません。
さまざまな階層、業界や地域の利益を代表している人たちの要求を〜労働者の代表となる政党、農民階層を代弁する政党、自営業などの代表となる政党・・・といった具合に〜各政党が汲みとって政策を確立し、支持を獲得しようと努力することが民主主義にとってとても欠かせない要素です。近代社会では、複数政党制は必須の制度といえ、それを追求してきたのが社会主義・共産主義の運動だったのです。


かつてのソ連や東欧、現在の中国やベトナムといった国ぐにが複数政党制を認めていないことは、政治的民主主義そのものが確立していない事を示しており、それらの国がそもそも社会主義・共産主義ではありえないということでもあります。
1970年代に日本共産党は、将来目指している社会主義・共産主義の社会でも複数政党制は当然堅持することを明確にしてきました。そして、日本共産党が政権を獲得する際は、常に他党と共同した「連合政権」を目指すことも綱領にも明記しています。
「連合政権」、つまり性格の違う政党が交わって運営する政権は、多様な要求や意見を反映していなければなりません。その際、各政党やそれを支持する人々の利害が一致しない場合もありますが、そこは話し合いにより意見をすり合わせ、時には妥協もしながら、一致点で政策をまとめ上げることになります。「小異を捨てて大同につく」という事です。これはとても時間がかかる超面倒臭い実践ですが、民主主義の大切なプロセスであり、これを軽視することはできません。
もし、一党だけの政権だと政策立案はより容易で党内でまとめてしまうことが優先される反面、多様性が損なわれる可能性が高くなります。カリスマ的な指導者が率いてその人気だけで多数の議席をとり、一党で政権をとってしまうようなことになれば、逆に政策の硬直化をまねき、国民の支持を失う結果も予想されます。党首が何らかの誤りを犯した際、途端に政権運営が困難となり短期間に政権が瓦解することになりかねません。
だから、多様な政党・勢力が協力し合って政権を作り上げる道こそが、実は理にかなっているのではないかと考えます。
(当日の回答はこのようにまとまっていた訳ではありませんが、こうした意味合いのことを語りました)

日本共産党や党員の日頃の活動、テレビ等からうかがえる活動ぶりには共鳴したり共感しているものの、本当のところはどうなんだろうという、引っかかりがある場合が多いのです。そして、日本共産党そのもの歴史や、科学的社会主義、社会主義・共産主義、ソ連や中国について、どう考えるかなど、多様な意見や質問が出されることが多くなっています。これはとてもありがたいことです。日本共産党がはじめから選択対象になっていないのではなく、選択したいし期待したいが、心から信頼するに値する党なのかどうかを見極めたいという方々が多いということだからです。

そこに、正面から答え納得してもらえるような努力が、引き続き重要になっているのだなと思います。