2022年6月13日

公開討論会、5氏で政策たたかわせ違いも浮き彫りに

投稿者: hi_sakamoto

6/13、日本青年会議所富山ブロック協議会主催の「参院選予定候補者公開討論会」が県教育文化会館ホールにて行われ、候補者の一人として参加し、主張を述べてきました。
候補者は午後5時半到着会場に入ると、すでに日本維新の会・京谷公友さんがおられました。控室で簡単なご挨拶をして雑談していると、参政党・海老克昌さん、続いてNHK党の小関真二さんが到着されました。最後に立憲民主党・山としひろさんが到着。残念ながら、自民党の現職・野上浩太郎さんは欠席ということれした。
公開討論は、どの党や候補者が、現在の政策にたいする是否を明らかにし、問題があるとすればどのように改革するのかといった主張を述べ合い、違いを有権者に明らかにして、争点を浮き彫りにし、選挙での選択に資するために行われる者だと思います。与党・現職候補者が欠席したことは、この目的を達する上で最大の障害になったと思います。
討論会は3つのテーマでそれぞれ方が政策や考えを述べ合う場となりました。
他の候補の訴えについては詳細に記憶していませんので、ここでは自分が訴えた中身についてメモ的に書きます。
問いは5問。問1は3分、問2〜4は2分と補足1分、問5は2分という配分でした。

【問1】なぜ立候補するのか、自己紹介など

こうした場を作っていただいた青年会議所のみなさんに感謝。今度の参院選のさまざまな課題があるが、特に大事なのは、いま自民党「攻められたらどうする」と煽り世論が醸成されている。日本の防衛費・軍事費を2倍に増やし、敵基地攻撃能力、軍事施設だけではなく指揮統制機能=相手国の中枢部まで叩く必要があると言っているのは極めて危険。軍事費を2倍にすると世界第3位の防衛費になり、軍事費世界1位〜3位のアメリカ、中国、日本が日本海を隔てて睨み合い一層緊張を高めることになる。日本維新の会は核を共有するとまで言っている。唯一の被爆国日本がそのような道にすすむことは断じて許されない。
今必要なのは、外交の力で平和をいかに作り出すかだ。
ASEAN諸国が長きにわたって、戦争を防止するための国家間の話し合いの努力をしてきたが、この流れを東アジアに広げるために日本の安全のために必要ではないか。「やられたらやりかえせ」という道から平和外交へ日本の安全を守ること、日本への攻撃の口実をつくらせない、戦争を未然に防ぐことこそが、政府の役目でははないか。憲法9条をもっている日本が今こそ、核兵器禁止条約に参加し核兵器国を抑え込んで、この東アジアを平和の地域にするために日本が役割を果たすべきではないか。反戦平和を貫いて100年の歴史をもつ日本共産党が伸びてこそ、平和な日本が実現できると訴えたい。

 

【問2】コロナ禍などによる県経済への影響と今後の対策について

私たちが直面している困難は、コロナ感染の世界的流行とウクライナ戦争勃発によるエネルギーや食料品供給が縮小に加え、アベノミクスによる異次元の金融緩緩和が円安をもたらし、たことが最大の原因である。
国民の暮らしを守るために以下の対策を行います。
第一に消費税を5%に減税することです。また、年金の引き下げや後期高齢者医療の自己負担倍増計画を中止させること、学校給食の無償化や大学の学費の半額、入学金を廃止すること、原発や石炭火力から脱却し、自然再生可能エネルギーへ思い切ってシフトし産業を興し、雇用を増大させる、ジェンダー平等の促進、女性の力が大きく発揮される社会を作る。
何より賃金が上がる社会をつくることーそのために最低賃金を全国一律時給1500円に引き上げる(現在877円)。そのための財源は、アベノミクスで大企業の懐に巨大にふくれ上がった内部留保に課税をし、5年で10兆円、これを中小企業支援にまわします。賃上げが、地方の経済を底上げし、景気回復、成長軌道へのせる大きな力になります。
人々の暮らし、営業にやさしく、力強い経済を実現し、コロナ禍から、県民と県経済の回復を実現させます。

<問2・補足発言>

政府は原発再稼働に前のめりー原発の発電コストは太陽光発電の約5倍、石炭火力は太陽光の3倍にもなる。これでは日本の国際競争力を落とすことになる。富山県は小水力発電のポテンシャルは全国1位と言われており、自然・再生可能エネルギーに思い切ってシフトすることが大事だと思う。

 

【問3】Well-beingと価値観の多様化や働き方などの変化について

外型的な豊かさと言われるが、富山県は世帯収入が全国でも上位だと言われるが、内実をみると、世帯主の収入に占める割合は全国34位で低い。一方、配偶者(女性が多い)は逆に全国トップ。つまり妻も家族もみんなで必死に稼いで、ようやく「豊か」になっているということではないか。ここで大事なことは、安定した所得を確保するということが、幸せの土台になるのではないか。
これまでアベノミクスや新自由主義の政策のもとで、競争主義、成果主義がもてはやされ、非席雇用をどんどん増えてきたことで若い人の収入は減り続けています。社会保障も切り捨てられる問題もある、これを改善しないと生活を安定しない。
特に、女性が低賃金を強いられている。男性の生涯賃金と女性の生涯賃金は実に1億円の開きがあると言われているが、これをどう埋めていくのかという問題があある。
最賃を保障し、女性の賃金を(もちろん男性も)引き上げることが必要。安定した雇用をつくり、8時間働けば普通に暮らせる社会にすることが大事だ。
年金削減や高齢者医療の負担を減らすなど、幸せを実感できる、富山県を作るべき。
<問3・補足発言>

兼業農家が多いので、農業にも従事できるような労働環境(時短で余裕をつくる)が必要。農業に対する予算を増やす。先進国では、農業収入のうち補助金が占める割合が7割8割9割だが、日本は3割台。農業で食べていける条件づくりが必要。農業という自然にゆっくりした流れの中で生業に従事することが、ウェルビーイングとの関わりで重要だと思う。

【問4】ベビーファースト運動子どもを生み育てやすい社会について

なんと言っても、若い世代、結婚・子育て世代の労働条件を改善すること。
3月内閣府が発表した報告で、今30代〜50代の働き盛りの収入が激しく落ち込んでおり、その原因は非正規雇用が増大したからだとしている。8時間働けば普通に暮らせる社会にしなければならない。
日本は、GDPに占める教育予算の割合は先進国で最低クラス。これをせめてOECD平均値まで引き上げて、給食費の無償化、大学学費の半減、入学金制度を廃止は十分可能。
PTA会長や役員の時にコロナを経験したが、先生方の忙しさは異常。国は、少人数学級にようやく踏み出したが、まだ不十分。教育の予算を増やし教職員を抜本的に増やすことが大事。
安心して働ける環境整備のためにも保育園、学童保育にたいする補助を充実、保護者の負担をへらす。
男性が育休を100%取得するように、県も動きつつあるが、子どもの医療費の補助国としても抜本的にひきげて子育て世代の負担を減らすことが大事。

<問4・補足発言>

私自身、「坂本」は旧姓で、これを通称で使っている。戸籍上は別のせいである。別姓でないと、自分の人格の継続性が失われるということ、それが私自身の実感であり、多くの女性が別姓を望んでいる。憲法で保障されている個人の尊厳、これを守る点でも大事、世界でも日本でも求められている。また、(海老氏が語った、「同姓は日本の2300年の歴史の伝統だ」という点を踏まえて)2000年来というのは違う、同姓制度はごく最近始まった(1897年の民法から)ものだということを指摘しておきたい。

【問5】会場参加者、有権者へのメッセージ

このような機会を設けていただき、御礼申し上げる。
世界では戦争、日本では格差が広がり、一人一人の人間を粗末に扱う社会になっている。気候変動も喫緊の課題。
これらの根源は、利潤を追い求める資本主義社会にあるのではないか、その声が資本主義のアメリカの若者の中から広がっている。社会主義社会を求める若者が増えているという調査がある。

私たちは社会主義・共産主義をめざしているが、我が党は、ロシアのウクライナ侵略を正面から批判を加えて来た。本来の社会主義・共産主義というのは、人々のいのち、くらし、平和を守る思想であり運動であった。この立場から、一貫してソ連共産党や中国共産党と対峙して来た。千島列島を奪ったソ連にたいして、政党の中で唯一全千島を返還せよと主張しているのが実は日本共産党。このことを知っていただきたく紹介した。
平和、いのちが脅かされている今、政治の出番。今度の参院選で、命・くらし、平和と追求する日本共産党を大きくしていただきたい。

1問2分、補足1分という限られた時間で、精一杯のことを述べたつもりですが、また言葉足らずのところ、言わねばならないこと抜けていたことなど、反省もありました。しかし、坂本ひろしと日本共産党の主張をお伝えできたのではないかと思います。また、各候補との違いも浮き彫りになったのではないかと思います。
こうした場を作っていただいた、青年会議所の皆さんに感謝したいと思います。
一堂に会した他党の候補さんも、お互い考えも全然違うところはありますが、候補者として同じ立場にあり、ともに政策を戦わせたという意味では、競争相手であると同時に同じ境遇の仲間もとも言えるのではないかと思います。お互いにリスペクトしつつ、譲れないところは譲らず、堂々と考えを戦わせ選挙本番にに臨みたいと思います。