2020年11月19日

鉄道輸送のボージョレ・ヌーボーで問題ないなら来年以降もそうすれば

投稿者: hi_sakamoto

「ボージョレ・ヌーボー解禁日だね」「ヤスブンで『鉄道で運んできたワイン』が売ってるみたいよ」と妻が言っていたので、結局買いにいくことになりました。

鉄道ヌーボーはCO2を大幅に削減し環境に優しいと宣伝されいてた

NHKの朝の番組では、今年はコロナ感染の関係で航空機が減便し、輸送の遅れが生じることを見越し、フランスでは(調べたらボージョレワイン委員会というのがある)がボージョレ・ヌーボーの出荷時期を前倒ししたと言っていました。その結果、空輸ではなく列車輸送でも日本の解禁日に到着が可能となり、そこに目をつけた大阪の商社がその手段を採用したのだそうです。おそらく同社は、空輸よりコストが削減されることに目をつけたのでしょう。ついでにもう1つ「CO2排出の大幅削減に貢献」も売りになると判断し、セールスポイントに打ち出したのだと思います。

チラシの鉄道ヌーボーの説明部分。なかなかいい文章。

これまで解禁日(毎年11月第3週の木曜日)に間に合わせるためだけに空輸を採用していたわけです。日本の私達消費者は「世界で一番先に飲める、やった〜!」と嬉々として乾杯していたのです。ただそのためだけに、ジェット燃料を大量に燃焼し、温暖化ガスを大量に発生させているのですから、何とも不合理なシステムです。(チラシでは、「刹那的な対応だ」と自嘲気味に書いています)

今回はたまたまコロナ感染によって出荷時期を早めたことで結果として鉄道輸送が可能となったのですが、では出荷時期が早まったからといってそのことでボージョレワイン産地の現場で混乱がおきたり、産業にダメージがあったわけではなさそうです。だったらいっそのこと、来年以降も出荷時期は今年並みにすればよいということになるのではないでしょうか。

「ボージョレ・ヌーボー出荷時期を来年以降も今年と同じように早めて、CO2排出を減らす」うん、これいいね。

世界で一番解禁日が早くくる主な国が日本ですが、「どうしても世界で一番早く飲まなければならない」という思考そのものをやめてしまえばいいのです。だって、産地であるフランスより早く飲めるのって変じゃないですかね。ボージョレワイン委員会は新たな決議をして、「解禁日は、フランスボージョレ地域時間における毎年11月第3木曜日」と世界に高らかと宣言してしまえば、誰も文句は言わないでしょう。くだらない世界一競争もやらなくて済み、気候変動対策になる。日本人は船便で解禁日1ヶ月「後」にでも到着するボージョレ・ヌーボーを飲むことで我慢するようにすればいいじゃないかなと思います。

これは他の問題にも十分応用できることだろうと思います。海外から重油をたくさん燃やしてミネラルウオーターを水の豊富な日本へ輸入するなんて、不合理の極みです。資本主義的商売というのは、そういう無駄でも儲かるものなら何でもやるという仕組みなのです。

買ってきた2020年ボージョレ・ヌーボー