2021年8月27日

原則入院を堅持し、福井県を見習って、富山県も臨時医療施設を作れ!

投稿者: hi_sakamoto

新型コロナ感染が富山県内に急速に拡大しているなか、日本共産党富山県委員会は8月25日、新田県知事宛の緊急要望を行いました。応対は、木内哲平厚生部長ら。

党側は、県委員会コロナ対策本部長の私、坂本ひろし(党県書記長)、同・事務局長の青山りょうすけ県常任委員、火爪弘子、津本二三男県議、折田誠県常任委員が参加しました。

現在コロナウイルスは、感染力の強いデルタ株へほぼ置きかわり、職場・学校等での感染→家庭感染→再び職場・学校という流れが生まれていることが、最近の流行拡大の特徴です。これまで以上の対策が必要となっていることを踏まえ、県に対し緊急の重点コロナ対策を求めることとしました。

この間新田知事は、「学校等のクラスターはそう心配していない」「政府のまん延防止等重点措置の適用をテレビで知った」という発言に見られるように、どうも危機感がないのではないかと感じます。

この間政府は、感染者が重症や中等症でない軽症者の場合は、「自宅待機を原則」とするという方針に転換してきました。これを受けて、県も同様な対応を取ろうとしています。自民党県議会からの申し入れでも、まさにこの方向で方針を変えるように要望しています(原則ホテル療養へ。まさに現状追認、政府追随。鹿熊県議のHPから。画像は赤線部分。

しかし、軽症者といっても、自宅待機、自宅療養中にいつ重篤化するかはわかりません。コロナの症状は急速に悪化することもあるのです。軽度だと思っていたら、急速に肺炎が進行し、血中酸素の濃度が落ち込み、呼吸困難、意識が朦朧として立ち上がれなくなり保健所や病院からの電話にも出られなくなってしまい、手遅れになるということも現実に起きています。

党は、改めて、①軽症者をふくめて「原則入院」の方針を堅持すること、②新型コロナ特措法第31条に規定された通り新たな大規模な「臨時の医療施設」を、医師会とも相談し県の責任で設置する、③ホテル・宿泊療養施設を急いで追加確保し無症状感染者を収容できるようにし、医療機能を強化することなどを求めました。

部長の回答は、医療施設を作っても、対応できる医療従事者が確保できない、などとしてそれを否定しました。

つまり、「原則入院は理想だが、それが難しいので軽症者は原則ホテルか自宅で待機してもらわざるをえない」と言い訳をしているのです。

しかし、「原則入院」を崩してしまうと、際限なく臨時医療施設設置を後回しになってしまうのです。たしかに、今日明日、1週間ですぐには医療従事者を確保できないことはわかります。しかし、やはりコロナ対策に臨む県の姿勢としては、政府の言いなりをやめ、「原則入院」という本来のあり方を堅持すべきなのです。そうしないから、臨時医療施設を作ろうという意思が全然見えてこないのです。知事の楽観的姿勢はそんなところから生まれたいるんじゃないかと思います。頭のいい人ばっかり集まっている県庁なんだから、人命を最優先に、必要な人を確保する手立てはいくらでも取れるはずです。

感染拡大期にある今、あるいは今の第5波を上回るような感染拡大が到来しないとも限らないわけで、いかに最悪の事態を想定して構えて臨むかが、県民の命をあずかる県知事と県に必要な姿勢ではないかと思います。

福井県は臨時の医療施設を設置して、感染拡大を抑える体制を整えた。富山県にはやる気がないだけだ

福井県は、富山県ほどの感染数がありません。だから「今こそ対策を」と臨時の医療施設を設置し、体育館に20〜30床、最大100床設置可能になるよう準備しています。

以下の記事を読むと、要するにやる気があるかないかだろうと思います。軽症者のうちに、しかも体育館のような広いスペースに病床をたくさん設置すれば、効率的に患者を診察することができ、患者の容態急変などにすぐさま対応できます。医療従事者も少なくてみます。医師会とも連携して、当番制などで医師・看護師を確保するということになるでしょう。

医療界だって出来るだけ感染を抑え、患者の病状進行を効果的に抑えたいと考えているのですから、様々な支援・協力を前向きにされるはずです。軽症者のうちにで適切な処置ができれば、重症化を防ぎ、結果として病床逼迫を避け、医療機関の負担を減らすことにつながるのです。

以下画像は「しんぶん赤旗」(8月19日)→リンク

福井県は、最大100床の臨時医療施設を設置し、原則入院を堅持。

「日刊ゲンダイ」(8月9日)→リンク

福井県は「原則入院」を堅持し、臨時医療施設を設置

日刊ゲンダイ記事の続き

以下は、新田県知事宛におこなった申し入れの内容です。

2021年8月25日
富山県知事 新 田 八 朗 様

新型コロナウイルス感染症対策に関する緊急申し入れ

日本共産党富山県委員会 委員長 上 田 俊 彦
県議団 火 爪 弘 子、津 本 二三男

 新型コロナウイルス感染急拡大のなかで、対策に奮闘されている貴職および関係者に心から感謝いたします。
この緊急事態のなかで、県と県民がコロナ感染への危機感を共有し、事態にあたる必要があります。知事の「政府のまん延防止等重点措置の適用をテレビで知った」「学校等のクラスターはそう心配していない」などの発言が地元紙で報道され、様々な声が寄せられています。政府の対応の問題点に対しては、県民の命と暮らしを守るために、地方自治体として毅然とした対応が必要です。わが党は、感染爆発と緊急事態宣言下のパラリンピックについても中止し、選手村を入院施設として活用することを含め、国民の命を守る対策に国と自治体が最優先で当たることを求めています。
また、県が新型コロナ感染者の「原則入院」方針を見直すとされたことにも、医療関係者はじめ県民から懸念の声があがっています。すでに、入院療養を希望しても断られる事例も報告されています。
そこで、直面する病床確保と感染対策に絞って、下記の通り緊急に申し入れます。補正予算の編成も見据え、対策に反映されるよう強く要望するものです。

(医療体制の緊急確保と拡充について)

1 新型コロナ感染者は短期間に病状が悪化する事態もあり、軽症者をふくめて「原則入院」の方針を堅持すること。

2 軽症者などの入院のために、新型コロナ特措法第31条に規定された新たな大規模な「臨時の医療施設」を、医師会とも相談し県の責任で設置すること。

3 無症状感染者のためのホテル・宿泊療養施設を急いで追加確保し、医療機能を強化すること。

4 「入院・調整中」解消のため、富山市保健所と県厚生センターの体制強化を富山市とともにはかること。

5 医療機関への減収補填、財政支援の強化を国に求め、県独自にも行うこと。

6 コロナ感染対策の最前線で奮闘する医療従事者に対する「激励金」の支給を、再度実施すること。

(ワクチン接種の促進ついて)

7 まん延防止等重点措置対象区域に指定された富山市でのワクチン接種の遅れは顕著であり、県からも特別の支援を行うこと。10~20才代の接種を急ぐこと。

8 ファイザー社製ワクチンの供給計画を早期に示すよう国に求め、市町村のワクチン接種を支援すること。副反応への不安などで接種をためらう傾向への不安払しょく、働きかけを強めること。

9 千葉県での新生児死亡の事案もふまえ、妊婦に対するワクチン接種を、急ぐこと。

10 職域接種用の米モデルナ社製ワクチンの供給が再開されたが、中小企業を含む職域接種、富山大学や県立大学など若者への集団接種が十分実施されるよう急ぐこと。帰省中の学生が確実に申し込み・接種できるように周知徹底すること。

(PCR等検査の拡大について)

11 濃厚接触者だけでなく、同じ職場、学園、地域など陽性者と接した可能性が排除できない人たちのPCR検査実施を、広く要請すること。

12  県境を超えて移動する県民等を対象に、無料でPCR検査を実施する制度をつくること。新幹線駅や空港などに無料の検査センターを設置し、結果が判明してからの移動を働きかけること。

13  6、7月に実施した福祉施設職員へのPCR検査を、石川県のように月2回以上に定期化し、対象を通所、訪問事業者にも広げること。

14  大学、小中高校、保育所、学童保育所の職員へのPCR検査、抗原検査を実施すること。また、抗原検査キットの配布を大量に行うこと。

15 「無症状の感染者を早期に発見し感染を抑える」戦略を採用し、検査能力を最大限いかして職場、大学、地域などでのモニタリング検査を実施すること。毎日の記者会見や県ホームページでは、新規陽性者数とともにPCR等検査数も公表すること。

(県内事業者への協力金の支給などについて)

16 飲食業と関連業者への「協力金」支給を、1月の実績などに基づいて概算払い、前倒し支給とすること。実施要綱を一刻も早く示すとともに、支給期日を「9月中」「申請後2週間」などと明示すること。

17  相談窓口、コールセンターの体制を拡充し、夜間も対応すること。
つなぎ資金の確保、緊急特例小口資金の貸し出しなど、ワンストップの相談にも対応できるようにすること。

18 国に持続化給付金・家賃支援金の再支給を、強力に働きかけること。

(学校における2学期スタートにあたって)

19 夏休みの延長、分散登校、時間短縮の実施にあたっては、教職員の意見・判断を十分ふまえ、学校ごとの対応を尊重すること。

20 部活動の実施については、感染対策を十分ふまえ、適切な判断をおこなうこと。

21 各学校の養護教諭、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーが連携し、児童・生徒の相談体制を強化すること。

以上