2021年11月12日

「棄権は自民党政治の追認」という態度ではなく、情報を粘り強く伝える

投稿者: hi_sakamoto

今回の総選挙は、自民党政治に対する強い批判を感じる選挙でした

その批判や怒りは、私の肌感覚でいうと前回2017年時以上のものだったと思います。富山3区では、日本共産党の公認候補であると同時に市民と野党の共同の候補として【自民党と一騎打ちの戦い】になった中で(「どうせ決まった選挙だ」とか、「共産党じゃあ勝てないな」とか、北日本新聞が作為的に「新味のない」対決だという見出しをつけるなど、有権者を誘導する要素が広くあったとはいえ)、やはり自民党政治を変えて欲しいという強い、純粋な願いを受け止める候補が私・坂本ひろしであったことは紛れもない事実であり、それがいろいろなところで強い期待の反応として現れたのだと思います。街頭宣伝中にも、またSNSでも反応はこれまでになく、反応がありました。

若い世代からの反応も想像以上に強かった

10月27日に藤野さんを招いた高岡での緊急街宣の際、若い女性がずっと演説をきいておられました。彼女と話をしてみると、「仕事が終わって帰ろうと思って出てきたら演説をしていた。何を話しているのかと思ってずっと聞いてみました。気候変動の話には本当に納得です」と。さらに雇用の問題などでもうんうんとうなずいてくれました。その方に「ところで共産党ってどう思いますか」と聞いてみたのですが、「いやー、よくわかりません。今まで政治のことを全然考えたことがなくて・・・」、「でも、何が問題かをちゃんと知りたいんです」と話してくれました。

また、10月30日、あるところで演説していましたら小学校6年生の男の子がずっと聞いてくれていて、対話になりました。その彼は、気候危機に対する政策を書いたビラを見ながら、「最大CO₂を60%削減をするって書いてますけど、本当に可能なんですか」などと次々と質問をされて、私はタジタジになるくらいでした。

自分の問題として社会の問題に直面しているのが、これからの若い世代

よく考えてみると、今の子どもは来世紀にむけて気候危機に直面して生きていく世代です。このままの対策では気温が4度も5度も上がる可能性があり、生死に関わる問題なのです。それを自分の問題として感じ取っているのではないでしょうか。そこで政治がどんな責任を果たそうとしているのかを本気で知ろうとしていると思うのです。

私たちが彼らに届く言葉をしっかり紡いで伝える努力や運動が必要なのだなと痛感しました。
しかし、投票率を見ればわかる通り、積極的な行動をとったとはいえないのです。とりわけ若い世代は、投票率が低い。多くの人々に政治を変える展望、政権交代とその先にある社会のビジョンを十分届けきれなかった選挙だったと言えます。来年の参議院選挙に向けて政治を変えていく道はここだ、気候変動の対策はこれだということを、率直に、自信を持って訴えかけ続けるということがこれから本当に大事になるなと思いました。

若者は無関心なのではなく、政治が身近に存在せず「政治がわからない」が、「政治を知りたい」

その時私が感じたのは、今の若者は政治に無関心だという評価もあるが、そうじゃない。何をどう調べたら良いかがよくわからないのです。彼らは、現在の社会構造のもとで、格差・貧困とか気候変動の問題に自分の問題として直面しているが、その根本解決の方策が見えず言葉にならない強い不安を持って過ごしているのではないかと思います。そして、今の政治を真剣に見つめ始めているのではないかと思います。そうした若者たちの手の届く範囲に、どうやってこの社会の現状を打開すればよいかの方途が知る人がいない、運動がないというのが現状だろうと思います。しかし模索をしているのです。「政治がわからない」と同時に、「政治を知りたい」と強く願っている人が増えているのだと思います。たまたま日本共産党の訴えに触れた若者がとても共感してくれ、急速に変わるという事例があちこちから報告されていますが、それほど情報が届いていないのだろうと感じます。

【さかもっち〜ず トーク!で政治がわからないという若い方との対話を振り返って語りました。】

「選挙に行かないからダメ」などと裁断するのではなく、実態を知らせ、社会を変える展望を語る活動が大事

「選挙に行かない人は自民党政治をアシストしている」のだという言い方をされることがあります。しかし、投票に行ったとしても自民党に投票してしまえばそれこそアシストになるでしょう。「投票に行きなさい」「投票に行くことが大事」「選挙に行かないことは現状追認だ」といくら上から目線で指摘されても、政治がわからないのだから投票に行く理由や動機が生まれないわけで、迷惑な話でしかありません。

くどいようですが、有権者に必要な情報とは、今の社会や政治の現状はどうなっていて自分の生活や将来にどのように影響を及ぼしているのか、そのような現状を生み出している原因は何なのか、それを変えるためにはどこをどう改善するべきなのか、選挙ではどの政党や候補者どのような主張をしているのか、ということです。それぞれの人が実感をもってその情報を主体的に理解できるよう、情報を適切に伝えることではないかと思います(自分なりに納得して理解するプロセスが大事)。それは、選挙の時だけではなく、日常的な活動として継続的に日々国民・市民のみなさんとの双方向で交流し理解を広げていく、粘り強い活動なのだと思います。

日本共産党が、大企業やアメリカ従属の日本の現状を変えるために方針を確立して草の根で奮闘してきたこと、気候変動や資本主義社会の矛盾と変革の展望を持っていること、国民の苦難あるところ日本共産党ありをモットーに、時には反戦平和を命懸けで主張してきたこと、を多くの方々に知っていただく活動と努力がこれからますます重要になっていると、改めて肝に銘じたいと思います。

10月27日、高岡市のエルパセオ前で行われた街頭演説で、藤野やすふみ前衆議院議員、高瀬あつこ前高岡市議会議員とともに訴え。20代女性がじっと最後まで聞いてくれました。